令和7年度の保育目標と自己評価
本園は一人一人の子どもの特性の尊重を基本としている。
本年度の就園児は多様な特性の子ども達であることを踏まえて、無理のない園生活への適応によって自ら育とうとする力を大切に、また、子ども同士が心を通い合わせながら、遊びの生活の中で互いを思いやる心の育ちを重視した。本年度の指導計画は昨年度を踏襲したが、昨年度の反省点を踏まえて以下のように配慮した。
Ⅰ 本年度指導計画の留意と実施
長期計画
年間活動計画の実施において、早めの環境構成や緩やかな誘導によって、自発的参加意欲が出るようにした。年間活動の繰り返しは進級児が前年の経験を生かして、見通しを持つことができるため活動内容の踏襲も大切にした。
短期計画
- 個人の関心を尊重する。自分から始めた遊びを十分行うよう認め、見守る。
大人の誘導よりも子どもの気づきからの活動、その中で行動力の育ちと自信に結び付ける。 - 対人関係の育ちを育てる。
子ども同士の関わり合いから生まれる遊びは各自のイメージや目的の違いなどを乗り越えて、つながり合って他を認めていくようにする。他を認める寛容な心へつなげる。 - 自然や物とのかかわりを丁寧にする。
自然物や、遊具の活用において、子どもからの発想による自由な活用をできるだけ認めるようにする。身近な環境にある豊かさへの感性、探求心を育てる。 - 集団への適応を緩やかにする。
同一年齢、異年齢を問わず、それぞれ興味や関心が合えばかかわりあえるように保育者同士も担任、他クラス、に平等にかかわりながら、子ども同士のつながりの可能性を広げる。社会性の基盤を作る。 - 活動の目的性を持たせる。
クラス(全体)活動への参加においては、子ども自身がそこでの活動目的を理解しながらの一体感による安定感を重視する。目的への対応、役割意識を培う。
環境構成上の配慮
- 屋内環境
各場所での活動の仕方について、子どもにとっての活用のしやすさを再検討し、子どもの状態に合わせた活用とする。屋内の空間をおよそ3つの機能を持つ場所としてとらえ、クラス(学年)単位の活動空間、園児共用活動空間、個々の自由な活動空間と考えて、子どもが場の特性で安心して行動できるようにしていく。 - 屋外環境
園庭は、季節によって異なる姿を見せる樹木、草花に囲まれていることを大切に、子どもの発見から生まれる遊びをできるだけ尊重する。
時間的構成上の配慮
- 1日の時間帯は、活動の特徴を考慮して、主活動(個人、集団のそれぞれにとって)の時間と移行時間の関係を工夫する。当初は、日案に含まれる諸活動に対応するためにゆとりを持たせ、それぞれが自分ペースの行動が受け入れられる状況とする。園生活への安心感、自信を持たせ、それによって規則やルールに対応する積極性につなげる。
- 園全体活動、園行事においては、自分の目標、やりたいことを精一杯することの中で、一緒に楽しむ経験とするプログラムを保護者にも理解を得る。集団活動参加での自信や一体感、そこで自分を出せることと自己肯定感の相互性を重視する。
- クラス活動は、「待つ」「誘う」「気にかける」「助ける」など、他者を理解し思いやりの気持ちへとつなげる。
Ⅱ 教員自己評価の実施 (専任教員における自己評価実施 令和8年4月)
※ 自己評価は昨年度の評価基準に基づく(4件法選択評価)
1. 保育方針、計画性
- 長期計画(活動計画、行事等の計画)は子どもの実態に対応した
- 短期の具体的計画は子どもの個性や育ちの過程を尊重して柔軟にした
- 活動の場の設定、環境構成、教材等の準備は指導のねらいに応じて適切にした
- 園内の自然環境(園庭、屋上菜園等)を生かして多様な遊びや発見、体験ができた
- 環境構成、遊具・素材等の準備は子どもの要求や活動経過をたどりながら行った
- 異年齢の交流を大切に、子ども同士の繋がりを深めた
- 保育の反省は個々に、また保育者間で随時積極的に行い、次に生かした
2. 保育方法、子どもへの対応
- 安全管理、清潔に気をつけ、子どもの発達状態に応じて適切に指導した
- 基本的生活習慣や生活ルールは無理なく身に着くよう各自の習得状態に合わせて指導した
- 子どもの行動は肯定的に受け止め、子どもの気づきを大切にした
- 遊びやクラス活動では子どもの発想や方法を理解して関わり、見守りながらよりよい方向へと援助した
- 遊びや集団活動は子ども同士の相互関係を深めながら援助した
- それぞれの活動は目標をもって集中し、最後までやり遂げることを大切に配慮した
- 物の扱いや人へのかかわり方などの基本が身につくよう指導援助した
- クラス活動は子どもの経験、能力の違いを考慮し、力が発揮できるよう配慮した
- 園行事等の全体活動はどの子も楽しめるよう工夫し、集団活動への興味を育てた
3. 保育者としての資質
- 教師間の意見交換や他からの情報収集によって専門知識や技能の向上に努めた
- 園の職務は責任をもって果たした
- 子どもの育ち方の変化や社会的ニーズの現状を理解しながら保育の改善に向った
4. 保護者への対応
- 個々の子どもの様子を保護者に伝え理解を得た
- 保護者会や保育参観を通して子育ての共通理解を図った
- 保護者の園活動への協力を得たり、保護者の意向を取り入れて保育の充実を図った
- 家庭での養育にも役立つよう保護者とのコミュニケーションを大切にした
- 保護者のクレームは謙虚に受け止め、園長、教職員で共有し保育の向上を図った
5. 地域との関わり、研修等
- 園内環境の補填として地域の自然環境、公共施設や人的資源を活用しながら保育の内容を深めた
- 子ども状態や園活動の必要に応じて地域の保育関連機関等との連携を図った
Ⅲ 教員自己評価結果と反省
1. 保育方針、計画性について(7項目 平均3.5)
全項目について、全員が当てはまる、ほぼ当てはまると評価している。
高い項目は「短期の具体的計画における子どもの個性や育ちの過程を尊重、柔軟性」「異年齢の交流を大切に、子ども同士の繋がり」「保育の反省は個々に、また保育者間で随時積極的、次に生かした」と子どもの主体的な育ちの重視を行って来た。
今後の課題 ⇒ 「園行事等の長期計画を子どもに合わせる」
次年度は検討していきたい。
2. 指導方法、子どもへの対応(9項目 平均3.3)
特に項目「物の扱いや人へのかかわり方など基本が身につくよう指導援助」で生活の中で教育することの基本が守られている。
高い項目は「子どもを肯定的に見る」、「安全管理」、「基本的習慣の指導」「子どもの発想からの遊び」で、担当クラスの年齢、教師の役割によって指導の力点が異なるための違いが見られた。
今後の課題 ⇒ 「子ども同士の関係性」、「集団のルール」、「遊びへの集中性」
子どもの個性や発達に応じて異なるため、自己評価項目としての検討を要する事項とみられる。
3. 保育者としての資質(3項目 平均3.4)
評価に個人差が認められた。教師間の意見交換は活発に行われ、子ども理解が進み目前の子ども理解を大切にしている。職務者としてはそれぞれ連携を密に職務を果たしており、自己評価基準の違いの表れともみられる。
今後の課題 ⇒ 「時代の変化への対応」が低い傾向にあり、園の課題としていきたい。
4. 保護者への対応 (5項目 平均3.0)
個々の子どもの様子を保護者に伝える共通理解、個々の保護者の要望への対応は、自己評価が高く、担任教師は十分に行っており、園としての役割を果たしている。
今後の課題 ⇒ 保護者全体と園教育の連携が今後の課題となっている。
現在の保護者は、多様な状況にあり、保護者全体との繋がりの難しさがあるが、これから大切にしていきたい。
5. 地域との関わり (2項目 平均2.5)
地域とのつながりに関してのみ、全体的に消極的な評価であった。園として、今後どのように園を地域に開き、幼児教育の場としての良さを理解してもらうか、地域とのつながりを持ちながら、子どもの体験を広げ、深めることも今後の課題としたい。
Ⅳ まとめ
毎年、自己評価を行うことによって、子どもの育ちの実際と個々の保育者、園としての活動を振り返り、改めて目前の子ども向き合うか気持ちを新たにする機会となっている。
毎年異なる特性を持つ子どもに対して目標は同じであってもその対応は子どもにより、集団状況によって異なるため、自己評価項目は子どもの育ちの姿にかかわる項目であることがより自己反省に役立つものとみられる。
次年度の自己評価は検討したい。園の教育活動に対する学校関係者委員評価から、現在の方向を支持していただいたが、本園の願う心豊かな子どもの成長のための保育を深めて地域の理解を得るよう、園全体として努力していきたい。
以上
